
トイ・プードル
- 英語名
- Toy Poodle
- 原産国
- フランス
- サイズ
- 小型犬
- グループ
- 愛玩犬
トイ・プードルの性格と特徴・飼いやすさ

フワフワの巻き毛をもち、ぬいぐるみのようにキュートな姿のトイ・プードルは、JKCの「国内犬種別犬籍登録頭数」1位(2023年)の人気犬種。見た目のかわいさだけでなく、抜け毛や体臭が少ないなど、飼いやすいことも人気の理由です。また、明るく温厚で友好的な性格で、さらに利口でしつけもしやすいことから、現代の都市部での飼育に適した犬種といえます。運動能力も高く、ドッグスポーツでも大活躍します。
明るく活発で遊ぶことが大好きです。また、温厚で友好的で、飼い主さん家族に対する愛情表現も豊か。また、利口で人の指示をよく聞き、状況判断しながら的確に行動するので、しつけはしやすいでしょう。ただ、甘やかしているとわがままになる傾向があるため、犬からの要求に応じるのではなく、常に飼い主さんが主導権を握ることが大切です。
プードルは大きさにより4種類に分類されますが、そのうちもっとも小さいトイ・プードルは体高23~28cm、体重3kg前後で、小型犬に分類されます。体長と体高がほぼ同じスクエア形のバランスのとれた体型をしています。
体高:23~28cm前後/体重:3kg前後
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
※体長:前胸の出っ張り部分から、お尻の出っ張り部分までの長さ。
ミニチュア・プードル
体高:28~35cm前後/体重:7kg前後
ミディアム・プードル
オス 体高:35~45cm前後/体重:18kg前後
メス 体高:35~45cm前後/体重:15kg前後
スタンダード・プードル
オス 体高:45~62cm前後/体重:25kg前後
メス 体高:45~62cm前後/体重:23kg前後
近年はトイより小さいタイニー・プードルやティーカップ・プードルも登場していますが、正式には認められていません。
トイ・プードルの被毛の色はバリエーション豊富で、ブラック、ホワイト、レッド・フォーン、ブルー、グレー、ブラウン、オレンジ・フォーン、ペール・フォーンなどの単一色が望ましいとされています。生まれたときにいちばん濃い色をしており、成長するにつれて薄くなっていき、毛色によっては一生涯変化しつづけます。
被毛の質はフワフワとした強い巻き毛のシングルコートで、抜け毛や体臭が少ないのが特徴。被毛は伸びるため定期的なトリミングが必須で、カット次第でキュートにもエレガントにもなり、飼い主さんの好みに合わせて変化を楽しめます。
※プードルの毛色について、犬種標準に基づき、「アプリコット」は「オレンジ・フォーン」、「クリーム」および「シャンパン」は「ペール・フォーン」、「シルバー」は「グレー」などとなり、また、「ベージュ」などの毛色はスタンダード外になるなどの変更があります。
・華奢な骨格で飛び跳ねる犬特有の「骨折や亜脱臼」
・足を引きずったり、ピョコッと上げて歩く「膝蓋骨脱臼」
・小さな顔立ちなので起こりやすい「乳歯遺残」
・垂れ耳になりやすいとされる「外耳炎」
・涙があふれ出て目のまわりの毛が変色する「流涙症」
・瞳が濁ってきたら治療したい「白内障」
愛犬の迎え入れ方にはペットショップ、ブリーダーからや、保護犬譲渡などさまざまな方法があります。たとえばペットショップで購入する場合だと、下記のような価格相場です。
価格 | 25万円~ |
活動的で遊び好きな犬種なので、運動時間がきちんと確保できて、積極的にいっしょに遊べるアクティブな人に向いています。毎日朝夕15分程度の散歩を欠かさないようにしましょう。ドッグランで自由に運動させるのもいいでしょう。また、トイ・プードルは電⾞などでの移動も容易なので、いっしょにお出かけを楽しみたい⼈にも向いています。知能と運動能力が高いので、ドッグスポーツにチャレンジするのもおすすめです。
トイ・プードルがとくに気をつけたい病気は、膝蓋⾻脱⾅などの関節トラブルです。活発なトイ・プードルが滑りやすいフローリングの床を⽇常的に⾛り回っていると、関節に⼤きな負担がかかり、発症リスクが⾼まります。⽣活スペースは、滑りにくい床材を選びましょう。同時に、⼤きな段差をなくす、⾼いところから⾶ び降りをさせないなどの注意も必要です。
抜け毛は少ないですが、もつれたり毛玉になったりしやすいので、散歩や運動後にはブラッシングを欠かさずに行いましょう。また、被毛はかなり伸びるため、トリミングが必要です。とくに目のまわりや足先の毛が伸びすぎると目の中に入ったり、肉球の滑り止め機能を阻害したりすることがあるのでこまめにカットしましょう。
また、涙やけができやすい⽝種なので、⽬ヤニやあふれ出た涙は、湿らせたコットンやペット⽤のお⼿⼊れシートでこまめに拭き取って清潔にしましょう。⼝腔環境も悪くなりやすいので、毎⽇の⻭みがきは必須。そのうえで、半年に1回程度は⻭科検診を受けることをおすすめします。
主⾷には、フードと⽔のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養⾷を与えましょう。総合栄養⾷のなかでも、トイ・プードルのような⼩型⽝には、粒が⼩さいもの、飲み込みやすいものを選ぶのがおすすめです。フード周りについている細かな粉がフードを飲み込みにくくすることもあるので、フードに⽔をからめても よいでしょう。
また、トイ・プードルは豊かな被⽑をもち、皮膚トラブル・関節トラブルに配慮が必要なことから、⽪膚・被⽑を健やかに保つ成分を強化したフードや、⾻・関節をサポートする成分を配合したフードを選ぶのも⼀案です。迷う場合は獣医師に相談を。
⼩型⽝は小食・偏⾷も多く⾒られます。おやつの与えすぎに注意する、運動でしっかりエネルギーを消費させるなど⽣活全般を整えるとともに、さまざまなフードを試して愛⽝の好みのフードを⾒つける、トッピングで⾷欲増進を図るなどの⼯夫をしましょう。
「いぬのきもち応募会員」のトイ・プードルの飼い主さん(712人)に、愛犬の迎え入れを決めた理由についてアンケート調査を行いました。
※この調査は飼い主さんの主観によるものです。アンケートコメントは飼い主さんがご自身の体験を回答したものです。また犬の性質は同じ犬種でも個体によって異なります。
「運命を感じたから」「好きな犬種だから」が、そのほかの選択肢に10%以上の差をつけて1位・2位という結果に。
また、自由回答欄には、以下のような意見も寄せられましたのでご紹介します。
「抜け毛やニオイが少ない犬種だから」といった声も多くありました。「運命を感じたから」「好きな犬種だから」という理由が多かったですが、トイ・プードルの特徴に魅力を感じ、迎え入れを決めた方は少なくないようです。
「いぬのきもち応募会員」のトイ・プードルの飼い主さん(712人)、実際に飼ってみてどう感じたかアンケート調査を行いました。
※この調査は飼い主さんの主観によるものです。コメントは飼い主さんがご自身の体験を回答したものです。また犬の性質は同じ犬種でも個体によって異なります。
「思っていたより飼いやすい」と回答した飼い主さんからは、「抜け毛やニオイが少ない」「賢い」「コミュニケーション力が高い」といった声が多数聞かれました。その一方で、「思っていたより飼うのが大変」と回答した飼い主さんからは、「しつけに苦労した」という声も。また、トリミングが必須な犬種であることから、「お手入れ・費用面の負担が大きい」という意見も見られました。
「いぬのきもち応募会員」のトイ・プードルの飼い主(712人)さんに、愛犬の好きな体の部位についてアンケート調査を行いました。
※この調査は飼い主さんの主観によるものです。アンケートコメントは飼い主さんがご自身の体験を回答したものです。また犬の性質は同じ犬種でも個体によって異なります。
結果は、「目」を選んだ人が最も多く、他との圧倒的な差をつけ全体の59.7%を占めていました。
また、自由回答欄には、以下のような意見も寄せられましたのでご紹介します。
「愛犬のすべてが好き」「選べない」との声が多数。やはり一緒に暮らす愛犬ですから、すべてが愛らしく「好き」だと感じてしまうのでしょう。
プードルの祖先犬は、古くからヨーロッパ各地にいた水辺の猟を得意とした犬で、ドイツからフランスへと渡ったという説と、犬種名のプードルはドイツ語から派生したものという説があります。16世紀ごろにフランスの貴婦人たちに愛されるようになって小型化が進みミニチュア・プードルが、18世紀ごろにトイ・プードルが作出されました。現在も、その愛らしさと飼いやすさから、世界中で常に高い人気を維持しています。
監修:ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 准教授 福山貴昭先生 (博士[学術]・愛玩動物看護師)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)
※犬の性格や特徴には個体差がありますので、あくまで目安としてください。
※犬種の起源や歴史については諸説あります。