この特集では、難病や障がいをもった愛犬とその飼い主さんの、闘病や暮らしの様子をレポートします。
今回ご紹介するのは、副腎に腫瘍を抱えながら、前十字靭帯断裂の手術を乗り越えたラブラドール・レトリーバーのオッティーちゃんのお話です。
母娘が協力しあって愛犬の介護は明るく楽しく!
千葉県のTさん家のオッティーちゃんは、11才のときに副腎腫瘍が見つかりました。全身麻酔による体への負担を避けるため、手術はせずに定期的な検査で腫瘍の状態を確認しています。14才のときには前十字靭帯断裂の手術を行ったため、足への負担にならない環境づくりも大事に。日々のお世話について、飼い主さんに聞きました。
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腎臓数値の悪化を防ぐため、毎朝15分かけて補液を行う
朝ゴハンの前に腎臓機能の悪化を防ぐために皮下点滴を行います。痛みを感じないよう細めの針を使い、人用の加圧バッグで輸液します。空気の圧縮により輸液を短時間で送ることができるそう。
※自宅での補液は、かかりつけ医の指導のもと行っています。
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数種類のサプリと薬は、毎回フードといっしょに摂取できるように工夫する
慢性胃炎の薬、健康維持のためのアミノ酸系サプリなどは、すべてフードに混ぜています。かかりつけ医と相談のうえ、低脂肪の鹿肉のウエットフードを少量だけ加えて食べやすくします。
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頻尿になってきたので、トイレはリビングからすぐ出られるベランダに設置
トイレは外派のオッティーちゃんのために、リビングからすぐに出られるベランダに専用のトイレを設置。手作りの台を置いて、段差をなくす工夫も。
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前十字靭帯断裂が再び起こらないよう階段は避けてリビングでのみ生活
リビングとダイニングキッチンが短い階段でつながっているので、オッティーちゃんが下りないよう階段前には柵を取り付けています。広いリビングがオッティーちゃんの専用スペースに。
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散歩時、玄関の階段を下りるときは大型犬用のスリングで抱える
玄関にも長い階段があるので、散歩時にはオッティーちゃんを抱えて下ります。大型犬用のドッグキャリーハーネスはたすき掛けにできるので、負荷が軽減でき安全に運べるそう。
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「オッティーに介護が必要になったとき。それは恩返しができるとき」
「愛犬と過ごすことが何よりの生きがい」と話すTさん。平日はフルタイムの仕事をしていますが、毎朝4時には起床して散歩に行き、その後オッティーちゃんの補液、ゴハンをあげてから職場に行きます。不在中は、Tさんのお母さんがお世話をバトンタッチ。Tさんと同じく犬を心から愛するお母さんは80才を迎えますが、愛犬たちのお世話がとても楽しいと話します。
「母は足腰もしっかりしていて、30㎏の大型犬にも力負けしないんです(笑)。母のサポートにはいつも感謝しています! 今後、オッティーにはのんびり過ごしてもらって、楽しい思い出をひとつでも多くつくれたら」とTさんは最後に話してくれました。
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出典/「いぬのきもち」2024年11月号『困難と闘う!……その先のしあわせへ』
写真/犬丸美絵
写真提供/Tさん
取材協力/アイいぬねこクリニック
取材・文/袴 もな
※掲載の情報は「いぬのきもち」2024年11月号発売時のものです。
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