暖かくなると、虫や野生動物たちの活動が盛んになり、その行動範囲も広がります。愛犬の散歩ルートやお出かけ先などで遭遇する機会も増え、間接的な接触でも愛犬に影響がでるリスクが。今回は、春に気をつけたい虫や野生動物による病気・トラブルについて、ノヤ動物病院院長の野矢雅彦先生にお話を伺いました。
(1)SFTS
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、マダニを介してうつるウイルス感染症。人にもうつり、死に至ることもある恐ろしい病気です。マダニはふだん野山や土手などに生える植物の葉の裏側に潜み、犬がそこを通った際に飛びついて寄生します。
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(2)東洋眼虫症
目に東洋眼虫という虫が寄生する病気です。寄生虫を運ぶ小さなハエの一種が、気温の高まりとともに活発化して感染しやすくなります。感染すると白目が赤くなったり、目をかゆがったりします。寄生虫が目の表面に見えることもあります。
(3)ノミ刺咬性皮膚炎
ノミは気温が13℃以上になると活発になるといわれており、春はまさにそのタイミングです。活発化したノミに大量に刺されることで、ノミ刺咬性(しこうせい)皮膚炎を発症します。患部には赤い発疹ができ、かゆみを伴います。患部の毛をかき分けてみたときに、細かい黒い粒があれば、ノミのフンの可能性が高いです。
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(4)フィラリア症
蚊がフィラリア(犬糸状虫)を媒介することでうつるフィラリア症。近年は温暖化でかなり早い段階から蚊が出現することがあり、寒冷地でない限り初春からの対策が必須に。30cmにもなる寄生虫が犬の心臓や肺動脈に何年も寄生し、重症化すると死に至ることもあります。
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(5)ハチやヘビによる中毒
温暖化にともない、春に気温が一気に高くなると、毒ヘビが冬眠から目覚めるタイミングや、ハチの中でも危険なスズメバチの営巣活動が早まる危険があります。そうなると当然、自然豊かな場所へ出かけた際にこれらの生き物に遭遇し、襲われる可能性が高まります。
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(6)ノミ・ダニの寄生
春になると、野生動物の行動範囲が広がる可能性があります。タヌキやハクビシンといった比較的身近な動物には、皮膚病の原因となるノミやイヌセンコウヒゼンダニのほか、前述したSFTSウイルスなどを媒介するマダニが寄生しているかも。野生動物に直接会わなくても、それらの生息域を散策することで感染する危険があります。
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(7)クマやサルによる被害
春は冬眠から覚めたクマが活動を開始する時季。またサルは春になるとエサを求めて野山を積極的に動くようになり、どちらも近づくと攻撃される危険があります。近年はとくにクマによる被害が多発しているので、犬連れでアウトドアを楽しむなら、注意情報や目撃情報のない場所を選びましょう。
寄生虫や感染症を防ぐには、駆除薬やワクチン、忌避剤の投与が必須。むやみに野山や茂みに近づかないようにして、ある程度整備された場所を散策するとよいでしょう。
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お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「いぬのきもち」2026年4月号『気をつけたい病気・トラブル 春の変化って犬にヤバい!んです』
文/柏田ゆき
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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