先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。
この間、雷雨の日のこと。遠くからゴロゴロ聞こえ始めたので、焦った。大吉が怯えてガクガクプルプル状態になるからだ。そのとき、リビングにいたので急いで多少の防音効果がある仕事部屋に避難させないといけない。
“克服”なのか“老い”なのか。
そう思って大吉の様子を見にいくと、何事もなく寝ていた。気付いていないのか。以前なら、遥か向こうでゴロゴロしていても、いち早く察知して震えだしていたのに。普段の暮らしぶりでは全然分からなかったが、聴力が落ちてきたのか。
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大吉は2才頃に突然、雷恐怖症を発症したので、長いこと雷(と花火と暴走族)の音には悩まされてきた。そんなことを書くと、「うちも怯えていたけどシニアになって聞こえなくなり平気になりましたよ」というコメントをもらったりしていたが、大吉にもそのときが来たのか。
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ちなみに、福助は雷も花火も暴走族も平気で、どんなに大きな音が聞こえても何事もなかったように寝るタイプだ。雷に怯える犬は多い一方、このようにまったく何ともない犬もいるからよく分からない。
雷に怯える大吉を救出しに行く動画を『インスタグラム(BGMは私が適当に作ったもの)』にアップしたのが2025年の7月だが、わずか1年で耳がそんなに悪くなるのか。
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飼い主としての複雑な思い。
今はまだゴロゴロだけで、間近でドッカーンはないから検証できていないけど、さすがにそれは聞こえて怯えるのではないか。
でも以前は少しゴロゴロ聞こえただけで恐怖におののいていたから、これでちょっとは解放されたのかな。それはそれで大吉にとっては良いことかもしれないが、私としては複雑な心境だ。
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この間、『大吉の衰えとケア』でも書いたように、色々なところに老いが現れてきた。後ろ足プルプルについては「スウェーデン式ドッグマッサージでよくなりました」というコメントがあったので、早速調べて松本まで1時間以上かけて試しに行った。1回で良くなったわけではないが、継続して通ってみようかと思っている。
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大吉本人は自分の老化をどの程度認識しているのだろうか。辛いとか、痛みがないといいが、見ている分にはそんな感じではないようだ。雷の恐怖から少し解放されたことで、メンタル的には少し楽になっただろうか。
大吉も福助も、もう立派なシニア犬だ。これまでもそうだが、今後は何か異変があったら、いち早く気付いて対処できることはするのが私の役目だ。
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今月には半年に1度の「血液生化学検査」を受ける予定だが、そのときエコー検査とレントゲンも一緒に受けさせようと思っている。過保護かもしれないが、健康管理については過保護でいいと思う。
プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から
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というブランドを立ち上げる。
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。
福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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